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年越しは「おそば」、お正月は「おせち」に「お雑煮」と、年末年始は定番の食べ物が多いですね。
ちなみに石川県金沢ではお正月に決まって食べる和菓子があるのです。それは、
- 辻占
- 福梅
です。
あ、福徳(ふっとこ)もあるかな。ただ我が家ではあんまり福徳は食べないので馴染みがないですが。
今回ご紹介する「辻占」は、ちょっとした占い?おみくじ?ができる金沢のお正月の定番の縁起和菓子なのです。
「福梅」は金沢のお正月に欠かせないお祝いの縁起菓子金沢や加賀・小松、富山などの北陸で食べられるお正月の風物詩「辻占」は、小さな紙に書かれたメッセージを包んだ縁起菓子。
石川県以外でも富山の南砺市や九州、関西でも似たような「辻占」があるそうです。
地域や和菓子屋さんによって材料や形状が違いますが、ざっくり分けると
- 最中種(もなかだね)製
- 寒梅粉(かんばいこ)製
の2種類があります。
寒梅粉とは、もち米を蒸して餅生地を作り、薄く伸ばして焼き上げたものを製粉したもので、落雁などに使われます。
我が家では寒梅粉製の「辻占」を食べることが多いですね。
形も
- 福寿草
- 羽根
を模した2種類が多いですね。
ちなみに和菓子「森八」さんや落雁「諸江屋」は、福寿草を模した最中種の「辻占」です。
「高砂屋」さんは寒梅粉(米粉)の羽根タイプの「辻占」です。
スーパーなどで売られてるのも米粉の羽根タイプが多いかな。
もともと「辻占」というのは、
夕刻、四つ角(辻)に立って、黄楊(つげ)の櫛を持って、村の守り神である道の神様の道祖神に念じ、
“辻や辻四つ辻がうらの市、四つ辻うら正しかれ辻占の神”
と3回歌った後、辻に来た人の言葉で吉凶を占っていたというもの。
『万葉集』11巻にも『玉桙(たまぼこ)のみちゆき占にうらなへば』と登場し、起源は古代にまでさかのぼる日本の占いの一種。
かの有名な葛飾北斎も辻占図を描いてるのです。
かつて「辻」とか「橋」は異世界、神の世界との境界にあたる神秘的な場所とされていたので、そこでの会話には神様の託宣が宿ると考えられたそうです。
江戸時代には、託宣を書いた「おみくじ」を辻で売り歩く「辻占売り」もいたそうですよ。
おみくじをお煎餅に入れた「辻占煎餅」も売られていて、この辻占菓子が海外へと渡りフォーチュンクッキーとして広がったという説もあるらしいです。
それがいつしか金沢ではお正月にいただく縁起菓子となり、家族や親戚が集まったときにみんなで楽しみながらいただくお正月の定番和菓子となったのです
「辻占」は石川県のほとんどの和菓子屋さんで売ってます。
和菓子屋さんじゃなくても、百貨店やスーパーでも売ってますよ。
お値段的にも12個入りで500円前後と実に庶民的です。
もちろん金沢駅にもありますよ。
和菓子屋さんもたくさんあるので、それぞれのお店の「辻占」を買ってみるのもいいですね。
ただし「辻占」はお正月のお菓子なので、販売時期が決まっていて、大体12月入ってから、年末に向けてお店に並びます。
年末年始に金沢に来るときはお土産代わりに買ってってもいいですね。
とくにこれといった食べ方があるわけでもないのですが、中に小さなおみくじが入っているので、そのままパクリと食べてはいけませんよ。
この辻占は「高砂屋」さんの寒梅粉(米粉)の羽根タイプの「辻占」
辻占の大きさはこれくらい。
2〜3cmくらいの小さなお花のような感じです。
「辻占」をわると中にくるくるっと丸められた紙が入ってます。
辻占の中からこぼれ出てくる紙に書かれた言葉を見て、その年の運勢を占うように遊びます。
一種の運だめしみたいなものですね。
一言書かれているだけで、神社やお寺のおみくじのように項目別になってるわけでもないので、出てきた言葉をどう受け取るかは自分次第。
恋愛でも仕事でも金運でも。
家族や親戚が集まってみんなでワイワイ言いながら楽しむのも「辻占」の楽しみの1つでもあります。
我が家では1人3個選んで、出てきた文面を繋げてどんな意味か解釈するという食べ方をしています。
とくに何個と決まってるわけではないのですが、まわりの人に聞いても3個という人が多いですね。
1個だけ運だめしにするという人もいます。
まず1個目に出てきた言葉は、「しごくよろしい」。
おぉ、なんかいい感じ。
2個目は「うわさが高い」。
ほほ〜う。
今年はなかなかいい言葉が並びますね。
そしていよいよ3つ目は!
「あきらめられぬ」
……んん?
並べてみると、
- しごくよろしい
- うわさが高い
- あきらめられぬ
……え、なんだろ3段落ち?
いろいろ良くて、周りの評判も高いけど、自分にはあきらめられない何かがあるのか!?
う〜ん、やっぱ辻占、なかなか難しいな。
いろいろ解釈できるから面白いけどね。
ちなみに、今回わりとわかりやすい文面でしたが、辻占の中には頭を捻るような謎な文面も結構あります。
お店の方にも問い合わせがあったりするらしく、『諸江屋』さんのサイトで一部わかりにくい表現のものに関しての解釈が載ってます。
ただあくまで断定するような内容ではなくて、こんな感じですよとそれぞれが言葉遊びとして楽しめる余地を残した感じです。
運だめしの後は美味しくいただきます。
これは寒梅粉の米粉タイプのものです。
乾燥していて干菓子の部類ではあるけれど、ややしっとり柔らかく、でもちょっと弾力もあるという不思議な食感です。
ほんのりと柔らかい甘みがありますよ。
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