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明治期に消失して以来、約140年ぶりに復活した「鼠多門・鼠多門橋」!
ねずみ年の2020年7月に復元オープンした「鼠多門・鼠多門橋」に子年の内に行ってきた。
尾山神社と金沢城の西にある玉泉院丸公園を結ぶようにお堀通りに架けられた「鼠多門橋」を渡り、黒い海鼠漆喰の壁が特徴的な「鼠多門」へ!
その1はこちら↓
「【金沢】ねずみ年に復元された金沢城の「鼠多門・鼠多門橋」に子年のうちに行ってきた – てふてふさんぽ」
【金沢】ねずみ年に復元された金沢城の「鼠多門・鼠多門橋」に子年のうちに行ってきた復元された「鼠多門橋」は、実際に江戸時代にも「玉泉院丸(現在の玉泉院丸庭園)」と「金谷出丸(現在の尾山神社)」を結ぶ出入り口として使われていた場所。
現在は埋め立てられて道路になっているけど、江戸時代ここは水堀だった場所なんですね。
明治期までは「鼠多門・鼠多門橋」ともに残っていたのですが、
- 明治10年(1877)に鼠多門橋が老朽化のため撤去
- 明治17年(1884)火災により鼠多門も焼失
してしまっていたのです。
金沢城公演開園とともに復元事業も始まり、発掘調査や文献の資料などから当時の姿を復元した「鼠多門・鼠多門橋」がついに令和2年(2020)に完成したのです!
140年ぶりの復活であります。
「鼠多門橋」は外観は木造ですが内部は安全構造を満たす鋼構造で、さらに車椅子の方も行けるよう長いスロープのあるバリアフリーにもなってます。
「鼠多門」は、石垣の間に大きな扉が設けられ、その上に櫓が作られた櫓門形式の城門。
なるほど、確かに扉が石垣の間にありますね。
鼠多門の作りは
- 屋根は木型を鉛板で覆う鉛瓦
- 外壁は白漆喰塗り
- 腰壁は海鼠壁
というところまでは金沢城の他の城門と同じなのですが、
- 海鼠壁の目地が黒漆喰仕上げ
というのが他の城門に見られない、「鼠多門」の大きな特徴。
なので「白」を基調とした金沢城の他の建物と比べると「鼠多門」だけが黒っぽいのです。
こちらは兼六園から続く「石川門」。
こっちは場内の「菱櫓」。
比べると確かに「鼠多門」は黒いですねぇ。
「鼠多門」がどうして「ねずみ」という名前なのか?ということに関しては、
- 建設時に多くのネズミがいた
- ネズミ色の外観をしていた
という2つの説がありました。
発掘調査により「黒漆喰仕上げの海鼠漆喰」の破片が出土したことから、「ねずみ色の外観」説が有力になった模様です。
両方でもいいと思う気もするんですけどね。
金沢城だけでなく全国のお城は海鼠壁には白漆喰が用いられることがほとんどなので、「鼠多門」のように黒漆喰を用いたのは全国的にもかなり珍しいようですよ。
ちなみにナマコ壁は、目地の盛り上がったのが海に棲む「なまこ(海鼠)」みたいな形だから「海鼠壁」というんだそうです。
ちょうど扉の上の海鼠壁の目地が黒いのがよくわかりますね。
左下の白いパネルみたいなものは車椅子の昇降機です。
「鼠多門」の大扉の通路。
通路は石垣で挟まれてて、石垣の間を通ります。
「鼠多門」の通路両脇の石垣は、明治17年(1884)に焼失した際にほとんどが撤去されてしまいました。
発掘調査により
- 数段分の石垣が残っている
- 金沢城内の他の石垣と同様戸室石が用いられていた
- 石を隙間無く積む切石積みの技法で積まれていた
ということが明らかになったそうです。
石垣の復元の際には、転用された石垣を再利用したり、損傷した石材を修理したりと、旧材を積極的に活用して復元したそうです。
確かに他の石垣とあまり違和感ないですね。
「鼠多門」は石垣の上に建てられた2階建ての櫓門。
「鼠多門」の復元の際には、当時と同じ材料、釘を使わない木組みの木造軸組工法で建てられてます。
「鼠多門」の櫓の内部は無料で見学することもできますよ!
櫓の2階へ上がる階段は緩やかな傾斜になってて、車椅子用の昇降機も設置されてました。
櫓内部への入り口は、金沢城内側の「鼠多門」の左側にあります。
こちらが「鼠多門」の櫓2階部分です。
すんごい木の香りがします。
中もしっかり復元されてます。
使用された木材は
- 柱・梁:欅(関東地方)
- 梁:松(東北地方)
- 壁板・床板:能登ヒバ(石川県)
- 屋根化粧裏板:杉(石川県)
だそうです。
部位によって使用する木材が違うんですね。
奥には
- 鼠多門の歴史
- 史実に基づく復元
- 鼠多門の復元
- 鼠多門橋の整備
に関する説明パネルもあります。
「鼠多門・鼠多門橋」の案内サイトにも建造物の側面図とかが載ってますよ。
電子パネルによる解説とか、復元工事の様子とかを見ることもできます。
2階の奥にある柵で囲まれた場所は、
当時のまま復元された階段でした。
かなりな急勾配です。
残念ながらこの階段は登り降りできません。
「鼠多門」の横から見た「鼠多門橋」。
道路から見ると「鼠多門橋」も結構高いけど、「鼠多門」はさらに高いんですよねぇ。
お城ってやっぱ高低差がすごいなぁ。
「鼠多門」は、尾山神社からもいけますし、金沢城の玉泉院丸庭園からも行けます。
位置関係としてはこんな感じですね。
玉泉院丸庭園も平成25年(2013)に復元された池泉回遊式の優雅な大名庭園です。
加賀藩2代藩主前田利長の正室・玉泉院がこの場所に屋敷を構えたことから「玉泉院丸」と呼ばれたそうです。
目の前には実に優雅な庭園が広がっております。
庭園を一望できる休憩所の玉泉庵ではお抹茶もいただけるそうですよ。
(730円、オリジナル上生菓子付きだそうです!)
「鼠多門・鼠多門橋」を堪能した後に庭園を眺めながらいただくお抹茶&お菓子もオツなもんですよ。
次はいよいよ二の丸御殿ですかねぇ。
御殿の最大の謎とされてきた内外装の詳細を記した資料もみつかったことですしね。
いつになるかわからないけど楽しみですね!
名称 | 鼠多門・鼠多門橋(ねずみたもん・ねずみたもんばし) |
---|---|
所在地 | 〒920-0918 石川県金沢市丸の内1-1 |
開館時間 | 9:00~16:30(最終入館:16:00) |
入館料 | 無料 |
休館日 | 年中無休 |
入館料 | 無料 |
駐車場 | なし(近隣のコインパーキングを利用) |
アクセス | 城下まち金沢周遊バス・兼六園シャトル・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「南町・尾山神社」バス停から徒歩約3分 まちバス「南町・尾山神社」バス停から徒歩約3分 金沢ふらっとバス材木ルート「商工会議所」バス停から徒歩約2分 |
TEL | 076-234-3800 |
URL | http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/nezumitamon/ |
- 2020年11月に訪問した際の内容です。営業形態、営業時間や定休日が表記と異なる場合がありますので、ご利用の際は必ず事前にご確認ください。
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