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奈良県宇陀市には『室生龍穴神社』なる、まさに龍神様をお祀りする神社があるのです。
辰の子としては奈良に来た以上外せない神社であります!
ちなみに室生龍穴神社のすぐ近くには、女人高野として有名な『室生寺』があります。
今では室生寺の方が有名な気もするけど、実は室生龍穴神社の方が歴史が古いんですよ。
室生龍穴神社は、室生寺からさらにもう少し山奥へと進んだところにあります。
創建は不明なんですが、すでに奈良時代から平安時代には、朝廷からの勅使、つまりは国の正式な神事?として、雨乞いの神事が行われていたそうです。
ちなみに、皇太子だった桓武天皇(737-806)の病気平癒のため室生の龍穴で祈祷が行われたという記録が「日本紀略」に記されているそうな。
この室生の龍穴というのが、室生龍穴神社の奥宮の「吉祥龍穴」じゃないかと考えられているらしいよ。
祈祷のおかげ?か桓武天皇の病が治ったことにより、創建されたのが「室生寺」であります。
龍穴での祈祷があって、室生寺が創建、ということなので、室生寺の創建よりも前に室生龍穴神社があった、ということになるわけですね。
室生寺は龍穴神社を守護する神宮寺であったという時代もあるそうな。
まぁそもそも室生龍穴神社は朝廷からの勅使をうけ雨乞いの神事を行っていたくらい社格が高かったんだろうし、室生の龍穴での祈祷を受けて創建したということは、室生龍穴神社の神宮寺として建てられた、と考える方が自然なのかな。
室生龍穴神社は鳥居向かって左側に無料駐車場がありますよ。
結構な山奥なので車で行くのがベストかなと思います。
神社を前にして圧倒されたのが、境内を取り囲む巨木。
頑張って写真に収めてみようとしたけど、無理でした。
入りきらないくらい大きな樹々。
だいぶこの時点で圧倒されます。
室生龍穴神社の御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)。
高龗神(たかおかみのかみ)は、イザナギが火の神・迦具土(かぐつち)の首を切り落とした際に滴り落ちた血から生まれたとされてます。
日本の神様、なかなかの激情型だし不思議なとこから生まれるから、もうよくわからない。
『古事記』によると、
多くの神々を生んだイザナミは最後に火の神を産んだのだけど、その時に大火傷を負いなくなってしまう。
妻のイザナミがなくなったことに嘆き悲しんだイザナギは、イザナミがなくなる原因となった火の神カグツチの首を持っていた剣で切り落としてしまいます。
その時飛び散った血から
- 石切の神
- 伐採の神
- 剣の神
- 雷の神
などが生まれました。
また、剣の柄についた血がイザナギの指から流れ落ちて
- 闇淤加美神(くらおかみのかみ)
- 闇御津羽神(くらみつはのかみ)
が誕生。
この闇淤加美神(くらおかみのかみ)は、高龗神の別名とも言われていて、同じ神様だったり、対の神様とか言われてます。
正直、よくわかりません。
なんせ、誕生したこの辺のことしか出てこないんですよね。
謎な神様です。
『日本書紀』だと高龗神と合わせて3柱が生まれたと書かれてます。
高龗神という名前は『日本書紀』にしか出てこないんです。
あ、ほんとにちなみに、なんですが、イザナギが火の神を斬った剣は「天之尾羽張(あめのおはばり)」と言います。
高龗神の
- 『高』は日光の降り注ぐ山の高いところを意味していて、
- 『龗(おかみ)』の字は龍蛇を表す古語で「水の湧き出るところ」という意味があります。
要するに、日の射す高い山にいる龍の神様ということですね。
対となる闇淤加美神は闇龗神(くらおかみのかみ)とも書かれまして、
『闇』は日の光のめったに届かないような山の谷間を意味するそうです。
つまりどっちも山にいる龍の神様ということですね。
(雑にまとめてみました。)
龍は雨、水を司るので水の神様でもあるのですが、商売繁盛や縁結びの神様としても信仰されてます。
ま、水の集まるところに人も集まる、人が集まれば交流も起きるし、商売も起こりますね。そこから商売繁盛や縁結びにつながるのかな。
高龗神を祀っている神社で有名なのは、やっぱり
- 京都の貴船神社
- 奈良の丹生川上神社
かな。
室生龍穴神社の「拝殿」。
この拝殿は、徳川綱吉の母・桂昌院の援助で、室生寺の般若堂を移築したものだそう。
扁額には「善如龍王社」と書かれてます。
室生龍穴神社の御祭神は高龗神でありますが、本殿前の拝殿には善女竜王も祀られているんですね。
ちなみに、善女龍王は、空海が京都の神泉苑において請雨経法を修したところ応現したと伝えられる真言密教の護法神です。
よく日本絵画、仏教絵とかの題材で描かれてることが多いかな。
日本美術の授業で見たような気もする……
雲に乗る竜神の背に立つ唐の官人の姿で、左手には宝珠を盛った鉢を持った姿で描かれてます。
高龗神も善女竜王も、どちらも水を司る龍に関係する神様ですね。
善女竜王は、龍というよりは龍を統べる神様という感じかな。
あと、
- 天兒屋根命
- 大山祇命
- 水波能賣命
- 須佐之男命
- 埴山姫命
も一緒に祀られてます。
明治41年に合祀された以下の神社の神様たちです。
境内にある室生龍穴神社御由緒には、
祭神 高靇神
配祀 天児屋根命 大山祇命 水波能賣命 須佐之男命 埴山姫命主神高靇神は、伊邪那岐大神其御子 迦具土神を斬り給へる時生れませる神にして、 水火を司るの威徳を具へ給ひ、晴雨を調節して 国土民生を安じ給ふ。
蓋し、農を以て国の本とする我国古来の伝統的民族信仰として旱天に慈雨を祈るの風朝野を挙げて後を絶たざりし所以にして木津川、淀川の上流の当地に此大神の鎮まります事深く故なしとせず。 随って古来歴朝朝野の信仰篤く祈雨止雨の奉幣に預り給ふ事度々にして神階は度々昇敍されて應和元年正四位下に敍せられ給ふ。延喜の制貴船丹生等の社と列びその神威赫々たる官幣の小社に列せられ所謂式内社として近畿一円に衆庶の信仰篤く以て今日に及べり。
配祀の祭神は古来聚落の叢祀に奉斎せしを明治末年に合祀せり。
と書かれてます。
拝殿の奥にある本殿。
奈良県指定文化財でもあります。
拝殿の横をぐるっと回って行けます。
本殿は瑞垣に囲まれていて立入はできません。
本殿は、春日造の一間社で、1671年建立の春日若宮社の旧社殿を移したものだそうです。
本殿の両脇には、道主貴神社(市杵島姫命)と手力男神社(手力男命)のお社も鎮座されてます。
室生龍穴神社の境内にはとても大きな「連理の杉」もあります。
室生龍穴神社といえば!奥宮に「龍穴」があるんです!
しかも日本三大龍穴の1つでもあります!
これは行きますよね!
境内には龍穴への案内マップもあります。
ただ、ですね。
社務所で話を聞いたら、室生龍穴神社から龍穴までは歩くと20分くらいかかるらしい……
往復40分、1時間コースになりますね。
時刻はすでに4時半……
う〜ん、と思っていたら、「すぐ近くまで車で行けるよ」と教えてくれました。
車ならすぐだよとのことなので、すいません、車で向かいます!
ちなみに室生龍穴神社から龍穴までは1.3kmほど山奥にあるそうです。
時間に余裕があれば歩いてみるのもいいかもですよ。
確実に1時間は歩くことになるんでしょうけど……
所在地 | 〒633-0421 奈良県宇陀市室生1297 |
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定休日 | なし |
拝観 | 自由 |
駐車場 | あり |
アクセス | 近鉄室生口大野駅よりバス「室生寺前」下車・徒歩約15分 |
問合せ | 0745-93-2177 |
室生龍穴神社の社務所は境内右手にありますが、他のお社と兼務されてるそうなので常にいるわけではないそうです。
御朱印などをいただく場合は、週末に参拝するか連絡してからお詣りするといいかもしれません。