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金沢の西、犀川大橋近くにある「にし茶屋街」には、爽やかな水色が目を引く洋風建築の「西検番事務所」があります。
ここ「西検番事務所」は今でも芸妓さんの稽古場として使われていて、運が良ければ三味線や太鼓の音色を耳にすることができますよ。
「西検番事務所(にしけんばんじむしょ)」は、にし茶屋街の中ほど、甘納豆かわむらさんのお向かいにあります。
木虫籠の和風建築が立ち並ぶにし茶屋街を散策していくと、水色の洋風建築は一際目をひきます。
大正11(1922)年に、にし茶屋街の芸妓さんたちの稽古場兼管理事務所として建てられました。
当初から外壁は水色で、寄棟造、桟瓦葺の木造2階建て、下見板張り、玄関ポーチには明治時代に流行った、軒先に飾り付きの板があるバージボードが付いています。
大正ロマン漂う西検番事務所は平成15(2003)年に国の登録有形文化財に指定されました。
洋風建築の事務所の奥には和風建築がつながっていて、芸妓さんの稽古場があります。
実は現在でも芸妓さんの稽古場として使われているのです。
運が良ければ芸妓さんが奏でる三味線や太鼓の音が聞こえる時もあります。
ちなみに7月8月の夏の時期限定で、芸妓さんのお稽古風景の特別体験会もあります。
東・西・主計町の各料亭組合事務所(検番事務所)で行われるみたいなので、機会があればぜひ行ってみたいですね。
検番は客と芸者の取次をしたり、玉代(お代金)の計算をしたり、登録されている芸者さんを監督したりする芸能事務所みたいな場所ですね。
その土地の料理屋・芸者屋・待合の業者が集まって作る組合事務所。
芸者・芸妓一人一人の名前が板に書かれ掲示されていたので「見板(けんばん)」→「見番・検番」となったらしい。
芸者と遊女の職域を明確に分けるためでもあったので、検番(見番)の主な役割には登録された芸者を監督したり稽古をつけたりという役割もあったらしい。
服装や髪型で一目で遊女か芸者かわかるようにルールを決めたりとか。
帯の結び目が前にあるのは遊女で、芸者は帯を後ろに回して垂らすとか。
あと検番は芸妓さんの外出をチェックする組織でもあったので、明治から昭和初期の頃、芸妓さんは外出する際、検番から用紙をもらい警察に届けないといけなかったらしい。
ちなみに西検番事務所では、大正時代から昭和初期にかけて、茶屋の児童のため授業をする教室としても使われていたそうで、教師が出張して授業を行っていたそうですよ。
大正時代に芸妓さんの稽古場・管理事務所として建てられ、子供の教室としても使われ、今でも芸妓さんの稽古場として使われ続けている西検番事務所、ロマンありますなぁ。
残念ながら内部の見学はできないんですけどね〜。
名称 | 西検番 |
---|---|
所在地 | 〒921-8031 石川県金沢市25−25 野町2丁目25番17号 |
開館時間 | 外観の見学のみ0 |
駐車場 | なし(近隣に市営観光駐車場あり) |
アクセス | 「広小路」バス停下車 徒歩約3分 |
問合せ | 076-220-2469(金沢市文化財保護課) |
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