【金沢城石垣めぐり】玉泉院丸庭園にある「色紙短冊積石垣」は石垣の基本カチ無視してアートを追求した石垣

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金沢城公園・玉泉院丸庭園

金沢城公園の西側にある「玉泉院丸庭園」。

ここには城好き、石垣好き、そうじゃない人も見逃せない「色紙短冊積石垣」というかなり珍しい石垣があるのです。

タモリさんがNHKの「ブラタモリ」でも訪れて興味深そうにご覧になられていました。

金沢城玉泉院丸庭園の景色である石垣

金沢城公園・玉泉院丸庭園

色紙短冊積石垣」は、玉泉院丸庭園玉泉庵から眺めるとちょうど正面にあります。

あまりに自然に景色の中に溶け込んでおりますが、石垣が庭の景観を演出しているのですよ。

石垣が庭園の景観にもなっているなんて、そんなお城なかなかありませんよ。

ブラタモリでも紹介された金沢城の色紙短冊石積石垣

金沢城公園・玉泉院丸庭園

こちらがNHKの『ブラタモリ』でも紹介された金沢城・玉泉院丸庭園にある「色紙短冊積石垣」。石積みの技法としては「切石積み」。

※切石積みは、割り石をさらに加工した切石を用いて隙間なく積む技法。出入口など重要な部分に多く見られる。

金沢城は「石垣の博物館」と呼ばれるくらい多彩な石垣があるのですが、その中でも特に異彩を放っているのがこの「色紙短冊積石垣」。

読み方は「色紙短冊積石垣(しきしたんざくづみいしがき)」です。

舌噛みそうですね。

著:NHK「ブラタモリ」制作班, 監修:NHK「ブラタモリ」制作班
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金沢城公園・玉泉院丸庭園

「色紙短冊積石垣」は、

  • 方形:四角い石→色紙
  • 縦長方形→短冊

を巧みに組み合わせた石垣のこと。

また金沢城の石垣に使われているのは戸室石といって、赤色青色をしています。

さらに黒色の坪野石という石も使われているので、玉泉院丸庭園の「色紙短冊積石垣」は、様々な形をした石を組んだユニークな意匠に加え、カラフルな色合いも加えた実にデザイン性に富んだ石垣なのです。

かつては水が流れる滝もあった色紙短冊積石垣

金沢城公園・玉泉院丸庭園

ほぼ垂直に切り立った「色紙短冊積石垣」の上の方を見ると、V字型の石が飛び出ています。

この石は樋になっていて、かつてはここから水が流れ落ちていたそうです。

金沢城公園・玉泉院丸庭園

今は水が流れていないのがちょっと残念ではありますが。

江戸時代にはV字型の石樋から落差9メートルもの滝が流れていて、真下には滝壺もあったそうです。

残念ながら今は埋まってしまってますが……

滝壺には「水返し」という能登半島各地から運ばれた景石が置かれていたそうです。

そしてこの水が段落ちの滝へと流れ、玉泉院丸庭園の池に注がれていたんだそうです。

玉泉院丸庭園・段落ちの滝

イメージとしてはたぶんこんな感じだったのかな。

段落ちの滝は再現されてるので、できればそのうち色紙短冊積石垣の滝も再現して欲しいなぁ。

金沢城公園・玉泉院丸庭園

ちなみに「金沢城ARアプリ」で、マーカーをスキャンすると発掘調査時の写真が見れました。

金沢城とか、金沢観光する際にちょっと遊べる「金沢城ARアプリ」と、「百万石回遊アプリ」というアプリもありますよ。

石垣でタブーとされた縦に石を積んだ色紙短冊積石垣

金沢城公園・玉泉院丸庭園

短冊と呼ばれる縦長方形の石ですが、本来、石垣を作る時には石を縦に積むのは厳禁なんです。

というのも強度が弱くなってしまって、また倒れやすくなるため、防御力もくそもあったもんじゃないんですよ。

この「色紙短冊積石垣」は、藩主が5代目前田綱紀へ代わった後の17世紀後半に造られた可能性が高いのではないかと、県金沢城調査研究所が発表されました。

5代目ともなると、すでに戦の世も終わり平和になった頃でしょうかね。

つまり平和だからこそ、石垣で遊んじゃえってこともできるようになったということか?

ちなみに5代藩主綱紀は、工芸品を集めるコレクターで、美、アートへの造詣も深かったらしい。

だからこその芸術性を全面に押し出した石垣を作ったんでしょうね。たぶん。

タモさんも

「これはもう趣味だね」

「抽象画、モンドリアンみたいだね」

「会って話してみたいよね〜」

とおっしゃってました。

激しく同意しますね。

モンドリアンか、確かにモンドリアンみたいな石垣だ。

あともしかしたら上から水が流れ落ちていたのなら、流れに沿って石垣も縦にしたんでしょうか。

そのほうが流れと合って綺麗ですもんね。

黒色の坪野石も使った玉泉院丸庭園の石垣

金沢城公園・玉泉院丸庭園

玉泉院丸庭園に面した石垣群には、黒色の「坪野石」も使われています。

金沢城の石垣には「戸室石」が使われているのですが、この玉泉院丸庭園に面した石垣のみ、唯一「坪野石」も混在して使っているという珍しい石垣なのです。

「色紙短冊積石垣」の上部にある水が流れていたV字型の石樋もこの「戸室石」です。

金沢城公園・玉泉院丸庭園

赤・青・黒が混在する、カラフルで、庭の景観を美しくするために作られた石垣……

はたから見たら変だよねぇ。

ま、もちろん幕府に睨まれないためという部分もあるんでしょうが。

金沢城公園・玉泉院丸庭園

玉泉院丸庭園の石垣にも、いろんな刻印が掘られた石がありますよ。

段落ちの滝の近くにいっぱいありましたね。

金沢城公園・玉泉院丸庭園

いもり坂から見た玉泉院丸庭園。

ちょうど刻印のある石垣の上あたりなので、もしかしたら藩政期には櫓でも会ったのかもしれませんねぇ。

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金沢城 色紙短冊積石垣へのアクセス

金沢城公園・玉泉院丸庭園
所在地〒920-0937 石川県金沢市丸の内1
開園時間[3月1日~10月15日]7:00~18:00 (退園時間)
[10月16日~2月末日]8:00~17:00 (退園時間)
休園日無休
入園料無料
ライトアップ毎週金曜日・土曜日、祝日の前日など(その他、観桜期や紅葉期など)
日没から午後9時まで
無料
駐車場なし
アクセス金沢駅からバスで約10分「南町・尾山神社」バス停から徒歩約4分、「玉泉院丸庭園」目の前
問合せ076-234-3800
URLhttp://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/

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