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金沢観光でまず訪れるであろう日本3名園の1つ「兼六園」
多くの観光客は金沢城の石川門と兼六園のことじ灯籠を見て写真を撮って、じゃぁ次へ、という方も多いと思います
実際、石川門とことじ灯籠付近は激混みなのに対して兼六園内に入ると割とのんびり散策できたりしますので
ただ!兼六園内は、金沢城もですが、他にも見所はいっぱいあります!
個人的に兼六園でこれは見ておくとおもしろいよと思うのが「日本武尊像」
(まったく兼六園っぽくはないし日本庭園でもないけれど……)
兼六園を小立野方面へと散策すると、突然現れる巨大な銅像、これこそが日本武尊像。
正直、え、なぜいきなり園内にこんなでっかい銅像!?とびっくりしますが、「明治紀念之標」と言いまして明治時代に建てられたもので、屋外の人物像としては日本最古のものらしいです。
【金沢】兼六園といえばやはり2本脚の「ことじ灯籠(とうろう)」!もともとは左右同じ長さだったらしい兼六園の東側にある「日本武尊(やまとたけるのみこと)像」、正式には「明治紀念之標」と言います。
明治10年(1887)の西南戦争で戦死した方を弔うために、明治13年(1880)に建てられました。
台座の高さは6.5m、像の身長5.5m、重量は6.5トン。
屋外の人物像では日本最古のもの。
両脇に植えられた赤松は手向松(たむけまつ)。
当時、京都の東西両本願寺の門跡から移されたものだそうです。
西南戦争は、西郷隆盛ら九州の士族と明治政府との戦ですね。
石川県は明治政府側として出兵してます。
田原坂の戦いで390人の方が戦死され、銅像の下には名前を刻んだ碑や献花台があります。
それにしてもなぜ兼六園に建てられたのか……?
明治以降の出来事なので明らかに加賀藩前田家とは関係ないのだが、
兼六園以外にこんなでかい銅像建てる場所がなかったから!
らしい……
いや、うそだろ?
像の作者はお隣、富山県高岡市の鋳物師。
もともとは金沢の仏師・松井乗運が最初に依頼されたらしい。
京都の東本願寺にも松井乗運作の仏像や彫刻が多く残る売れっ子仏師だったのですが、なぜか松井乗運案の日本武尊は銅像にされなかった。
原型の木像は石川県立美術館に所蔵されてるそうですが。
なんで変ったんですかね。
なにか色々、色々あったんでしょうね……
経緯を知った上でもやっぱり、兼六園内では異彩を放つ「日本武尊像(明治紀念之標)」。
写真を見るとわかりますが、ハトはおろか、カラスもスズメも一羽も鳥がとまっていないのです。
というか銅像の周りを飛んでもいないね。
まぁ鳥のフンで汚れることはないけれど、上野の西郷さんの銅像なんかはよく鳥がとまってるイメージですけどね。
建立されてから100年以上、しかも兼六園内で最も高さがあるのに鳥のフンが全くない。
この現象を不思議に思い、なんと研究した方がいるのです。
金沢大学教授の廣瀬幸雄さん。
研究の結果、上野の西郷さんの像と比べて、日本武尊像(明治紀念之標)は融点を下げるためのヒ素や鉛が5倍近く含まれていたことを突き止めた。
「ヒ素が鳥を遠ざけているんじゃ……?」と仮説を立て検証したところ、鳥はヒ素に寄り付かないことがわかったらしい。
(なんでヒ素を嫌うのかとかはまだわかってないみたいですが)
この「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」により、なんと2003年にイグノーベル賞を受賞されたのです!
イグノーベル賞(Awards makes people Laugh and then Think)は「人々を笑わせ考えさせてくれた業績」に贈られる賞です。
実は兼六園の日本武尊像(明治紀念之標)、もう1つ注目ポイントがあるのです。
それはこの台座部分。
日本武尊像の足元の台座は、コンクリートを使わず、自然石だけで組み上げられています。
台石とその下の土台である石積みの間には、クッションとしてしっくいが座布団のように敷き詰められているそうで、しっかり免震対策も施されている。
明治に建てられて100年以上経ちますが、一度も倒れたことがありません。
まことしやかに噂されている理由が「三すくみ」にあるからだとかなんとか。
令和6年元日の能登半島地震でも、兼六園内の一部の石垣などは崩れたりしましたが、日本武尊像は倒れなかったですね
台座部分をよく見ますとですね、石積みの台座の中に
- ヘビ
- ナメクジ
- カエル
に似た石があるんです。
ヘビはカエルを食べる→カエルはナメクジを食べる→ナメクジはヘビを溶かす
という風に、お互いがお互いを睨み合ってすくみあって身動きできない、三すくみの状態。
それぞれのベクトルが中心に向かうので石が崩れないんだとかなんとか。
ナメクジがヘビを溶かすは無理がないかと思うけど、昔の日本ではそう信じられていたらしい。
そう言われてみると、蛇とカエルはわりとすぐ見つけられます。
ただナメクジは毎回よくわからんですね。
左上に小さなツノがあるように見えるのがナメクジらしいです。
言われればそうかなぁみたいな。
この台座を作ったのは金沢の庭師・太田小平、幸作親子。
果たして三すくみを意識して作ったかどうかはわかりませんが、そんな妄想しながら眺めてみるのもなかなか楽しいですよ。
ま、あんまり観光客の方が来ない場所なんですけどね。
また兼六園に来られる時はマニアックポイントを回ってみるのも面白いですよ。
名称 | 兼六園、明治紀念之標(日本武尊像) |
---|---|
所在地 | 〒920-0937 石川県金沢市丸の内1番1号 |
開園時間 | [3月1日~10月15日]7:00~18:00(退園時間) [10月16日~2月末日]8:00~17:00(退園時間) |
休園日 | 無休 |
入園料 | 大人320円、6歳以上18歳未満100円 65歳以上無料、障がい者無料(介護者1名免除) 石川県民は土日無料 ※それぞれ公的機関が発行する証明書の提示が必要 |
駐車場 | なし(障がい者用駐車場は事前に管理事務局へ連絡) |
アクセス | 「兼六園下・金沢城」バス停から徒歩約3分 |
問合せ | 076-234-3800 |
URL | http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/ |
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