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学問の神様・菅原道真公をお祀りしている「上野天満宮」。
名古屋天神とも言われてますね。
とても明るくて開放的な神社ですが、なんといっても「天神みくじ」の道真くんがカワイイ!
境内にはところせましとびっしり道真くんがいて実にフォトジェニック!な神社でもありました。
上野天満宮は、天満宮とあるのでもちろん菅原道真公をお祭りしています。
創建はいまいちはっきりとはしていませんが、平安時代中期に陰陽師・安倍晴明の一族がこの地に移り住んだ頃に、菅原道真公の御神霊を祀ったのが起源とされてます。
安倍晴明といえば日本史上屈指の陰陽師!
あとフィギュアスケーターの羽生結弦選手がフリープログラムに使用し、五輪2連覇したあの「SEIMEI」を思い浮かべる人も多いんじゃないですかね。
野村萬斎さんの演じた『陰陽師』の晴明の印象もあるので不思議な術を使う捉えどころのない人という印象もありますが、実在の人物です。
安倍晴明については長くなるので、上野天満宮に関わるとこだけ。
気になる人は『陰陽師』を読もう!(笑)
安倍晴明(921〜1005)は花山天皇(968〜1008、在位984-986)に仕えてました。
が、花山天皇は藤原氏の策略にハマって出家してしまい、なんとわずか2年で退位!
晴明も政変に巻き込まれて都を追われ名古屋の名古屋市千種区清明山に移り住んだということらしい。
へぇ〜、そうだったのか。
まぁ晴明はその後2、3年で都に戻理、一条天皇や藤原道長の信任を得ていくんだけど。
社史によると、自分の境遇と照らして、共感?したのか、菅原道真公を思い、上野天満宮を建て、奉ったらしい。
菅原道真といえば、神童とも言われ政治のNo.2右大臣にまで登りつめたけど政敵の策略により無実の罪で流罪!
太宰府に流され903年に亡くなられます。
政変により都から追われた、というところが共感ポイントかな?
どうしても漫画『陰陽師』のイメージが強いからなかなかピンとこないけど、そうらしい。
はい、というわけで上野天満宮の御祭神は
- 菅原道真公
ですね。
相殿神として
- 伊弉冉命(いざなみのみこと)
- 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
も祀られてます。
この2柱の神は昭和36年に近くの浅間神社から合祀されたそうです。
菅原道真公は実在の人物で、神話時代の天皇でもないのだけど、神さまになった実在の人物ですね。
ざっくり道真公についてまとめると、
父・是善、祖父・清公と代々「文章博士」となった学者の家柄の生まれで、めっちゃくちゃ頭がよかった!
なんとわずか5歳で和歌を詠む!
その時の和歌が
美や 紅の色なる 梅の花 あこが顔にも つけたくぞある
(意味:梅の花はなんてきれいな紅色をしているんだろう。阿呼(自分)の顔にもつけたくなtちゃうよ)
……5歳?5歳でこんな歌詠みますか、そうですか……
その後、学者としての最高位である「文章博士」になり、さらに出世を重ね、なんと学者出身で政治のNo.2右大臣にまで登りつめる!
しかし、道真公を援護していた宇多天皇が出家!
道真孤立無援!
ここぞとばかりに道真を疎ましく思っていた藤原時平が追い落としにかかる!
まさに『出る杭は打たれる』状態。
醍醐天皇に有る事無い事吹き込んでとうとう太宰府へと左遷させることに成功!
とうとう道真は都を追われ太宰府に流れてゆく。
その後も切々と都へ戻る事を希望したが、願い叶わず失意のまま太宰府で亡くなるのでした。
辛すぎる……
ちなみに道真公が太宰府に左遷するときに庭の梅に向かって読んだ歌が
東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな
(春になって東の風が吹いたならば、その香りを私のもとまで送っておくれ、梅の花よ。主人がいないからといって、咲く春を忘れてくれるなよ。 )
切なぁ〜い。
ただこの梅、なんと道真を思い、一晩にして太宰府まで飛んできたんだとか!
それが「飛梅伝説」というやつですね。
太宰府天満宮の梅には飛梅という名前がついてるらしいです。
えぇ話や……。
と、ちょっとほっこりしそうになるけど、だがしかーし!
これだけで終わらないよ道真!
道真公が亡くなると都に怪異が頻発!
都に疫病が流行る!
人々は道真公の祟りじゃないかと恐れる。
道真公を太宰府へと追いやった張本人・藤原時平が39歳という若さでこの世を去る。
皇太子・保明親王も弱冠21歳で亡くなる!
さすがに恐れをなした醍醐天皇、道真公を元の右大臣の地位に戻す!
太宰府に左遷するよう命じた文書を燃やして、左遷の事実を取り消す!
でもそれでは収まらない道真公。
まだまだ怪異は終わらない!
時平の孫の皇太子・慶頼王がわずか5歳で亡くなる。
道真の左遷に関わった人物が次々に亡くなる。
そしてついに宮中・清涼殿に雷が落ちる!
清涼殿落雷の後、醍醐天皇は体調を崩しそのまま崩御される……
おぅ……
この落雷事件から、道真を雷の神、つまり天の神、天神さまと崇めるようになったらしい。
雷が恵みの雨を降らせることから農業を守護する神とされていたけど、同時に地震や火事などの災いももたらす神でもあったので、「たたり神=天神」ともされてました。
無実の罪で貶められ亡くなった道真公が怨霊となって都に災いをもたらした、と考えた当時の人々は「菅原道真公=天神」と思うようになっていったんだね。
あとちょうどその当時、彗星の飛来もあったらしい。
なるほどだから天神様ね。
道真の死後から災いが続いた京の都、道真が亡くなった延喜3年(903)から90年後!の正暦4年(993)、一条天皇は道真に太政大臣の位を贈るのであります。
亡くなってだいぶ経ってからの異例の大出世!
しかもそれだけじゃなく太宰府天満宮を建て、道真に「天満天神」の称号を与える。
北野天満宮にも勘定し、参拝したり、流罪にされていた道真の子供らも京に呼び戻す。
いや〜すごいね道真公、ついに神様まで登りつめる。
その後も落雷の祟りを鎮めるため全国に天満宮が建立されていったんですね。
道真公は天満天神のほか、大政威徳天、天満大自在天とも呼ばれます。
いつしか庶民の信仰も集め、ずば抜けた頭脳で異例の大出世を遂げたことから学業の神様として祀られ、毎年多くの受験生がお参りにく……という風になっていったんですねぇ。
そういえば大学受験の時、太宰府天満宮に行ったなぁ。
上野天満宮の御利益は何と言っても
- 学業成就
- 学力向上
- 受験合格
あと、道真公は冤罪を注ぎ名誉を回復したことから、災を除き福を招く『除災招福の神』としても崇められたので、
- 災難厄除
- 厄除開運
- 開運出世
の御利益もあるとされてます。
他にも、
- 家内安全
- 商売繁盛
- 安産子授
- 諸芸上達
- 虫封じ
などがあります。
名古屋市千草区の住宅街にある上野天満宮。
境内のすぐ横と道路を挟んだ向かいに広々とした駐車場があります。
ちょうど鳥居向かって右側です。
すごく整然と整備された感じの天満宮。
抜けるような青空と木の緑が鮮やかですね。
上野天満宮にも「蕃塀(ばんぺい)」がありました。
高牟神社で見たのは木製だったけどこちらも石造りですね。
横に回らないど本殿が見えないようになってる。
天満宮といえば「なで牛」ですね。
道真公といえば、太宰府に流された学問の神様、は有名ですが、他にも道真といえば!的なものがあります。
1つは「梅」。
太宰府天満宮にもう目があるし、梅ヶ枝餅とか梅関連のもの多いですよね。
まぁ単に道真公が梅が大好きだったからってことらしい。
なので天満宮の社紋は「梅」に関係したものになってることがほとんどなんです。
ちなみに加賀藩の家紋も梅なんです。(//∇//)
余談でした。
そしてもう1つは「牛」!
なぜ牛なのか?
それは道真公と牛のエピソードが豊富だから!
なんだそれ!?って感じですが、
- 道真公の生まれ年が「丑年」
- 元服の夜に牛の夢を見た
- 山でキノコ狩りしてたら子牛が懐いてきた
- そして連れ帰って可愛がった
- 道真左遷の折、命を刺客に狙われるが牛に救われる
- 道真がなくなったのが丑の日
- ご遺体を運ぶ途中牛車が座り込んで動かなくなった
→道真公のご意思としてこの地に埋葬
→ここが現在の太宰府天満宮 - 仏教では大自在天神は白牛に乗るとされてるので、道真公の「天満大自在天神」という神号から道真公も当然牛に乗ってるだろう
- もう1つの神号「太政威徳天」も密教の大威徳明王に由来していて、この明王も牛に乗っているから
などなど。
うーむ、確かに牛エピソード豊富。
上野天満宮のなで牛は向かい合うように2体ありました。
なで牛がうずくまってるのは、道真公の遺体を運ぶときに座り込んで動かなくなった、ということと、なんでもうずくまっている牛の石像には、諸病平癒の力があるとも考えられていたからなんだそうです。
なで牛さんの後ろの木は梅です。
訪れたのがGWなんで、梅の花の時期はとうに過ぎてたけど青々として生命力に満ちてる感じでした。
こちらが向かい側のなで牛さん。
なで牛といえば撫でると頭が良くなるとか、体の悪いとこが良くなるとか言いますね。
「なで牛」の頭を撫でてから、自分の頭を撫でる、と頭が良くなる。
自分の体の悪いところを撫ででから「なで牛」の同じところを撫でると、牛が邪気を吸い取ってくれる、のだそうです。
こちらが上野天満宮の手水舎。
いや〜鮮やかですねぇ。
一の鳥居をくぐった左手にあります。
上野天満宮の御本殿、というか拝殿。
こちらも朱塗りの柱と緑の屋根が鮮やかですね。
御朱印は拝殿向かって左の社務所でいただけます。
境内にはこんな顔はめパネルがありましたwww
えっと菅原道真公をゆるキャラにした感じかな。
なんかかわいいね。
思わず道真くんと呼んでしまいたくなるけど、正式名称あるのかな?
上野天満宮の社務所にあったおみくじ。
縁起物のお守りが入った開運おみくじと晴明殿の水占みくじ。
そして天神様の人形に入った天神みくじ!
かわいい!
これはやるよね!
天神様の中におみくじが入ってます。
この天神みくじの道真くん。
勝手に道真くんと呼んでますが、なんと境内にいーっぱいいるんですよ!
はい、なで牛さんを囲む石の上にたくさんの道真くん!
別角度から。
なで牛と道真くん。
ここは黄色軍団の道真くん。
赤・黄・緑が並んだ道真くん。
道真くん小さいからなかなかピントが合わないんだけど、ようやく合った!
向かいのなで牛はびっちりと道真くん!
見事に敷き詰められてますね、道真くん。
青い空と本殿となで牛と道真くん。
これはなかなかいいですな。
よく見ると灯篭の中にいますね道真くん。
こんなとこにもいたよ道真くん。
わかるかな?
柱の上におりました〜。
いやー楽しいわ。
天神みくじの道真くん、かわいいから持って帰ろうかと思ったけどこの大量の道真くんを見ていたら、仲間に混ぜたくなって……
置いてきました!
今度行った時は持って帰ろうかなぁ。
上野天満宮には「うそ替え神事」という面白い神事がある。
「うそ替え神事」とは、“悪しき事は嘘となり 吉に取り替えんとの心にて「うそ替え」とゆう” との言い伝えから、一年中の「嘘言」「過ち」「悲しみ」「苦しみ」をうそ鳥に託し、天神さまの「まこと」と取り替え、清く明るく正しい誠の心に立ち還り、除災招福を祈願する行事だそう。
うそは「鷽」という鳥らしい。
そして「鷽替え神事」が行われる1月15日と25日はその日限定で木彫りのうそ鳥がいただけるのだとか!
ちょっと気になる
ちなみに1月15日は左義長祭も行われ、その日限定でぜんざいも振舞わるんだって。
これが木彫りのうそ鳥らしい。
上野天満宮のInstagramにありました。
最近は神社もInstagramとかあるんだねぇ。
名称 | 上野天満宮(うえのてんまんぐう)UENO TENMANGU shrine |
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創建 | 平安時代中期 |
御祭神 | 菅原道真 伊弉冉命(いざなみのみこと)、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと) |
ご利益 | 学業成就、学力向上、受験合格 災難厄除、厄除開運、開運出世 家内安全、商売繁盛、安産子授、諸芸上達、虫封じ、等 |
御朱印 | あり(社務所にていただけます) |
所在地 | 〒464-0094 愛知県名古屋市千種区赤坂町4丁目89 |
拝観時間 | 自由 |
社務所 | 9:00~17:00(ご祈祷受付 9:00〜16:00) |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
アクセス | 地下鉄名城線・砂田橋駅1番出口から徒歩約10分 |
TEL | 052-711-6610 |
URL | http://www.tenman.or.jp |
上野天満宮は、山田天満宮、桜天神社とあわせて名古屋三天神とされていて、受験シーズンにはたくさんの受験生が参拝に訪れるそうです。