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知り合いにいわゆる刀剣女子、というかとうらぶ女子がいまして。
彼女たちのあつ〜い語りを聞くと、これは面白そうだから行っておいた方がいいなと思って友人を誘って行ってきました〜。
この「目で観る刀の教科書展」は数年前から全国各地で開催されているらしくかなり話題の刀剣展らしいのです。
一番気になったのはやはり重要美術品の「名物 大倶利伽羅広光」。
これをまじかで見れる機会はなかなかないですからねぇ。
そして、日本刀を持てるという体験イベント!
真剣を持てるということ!?
かなり気になる。
で、まぁ軽い気持ちでやってきたのですが、開催場所は倶利伽羅不動寺の山頂本堂!!
だったんですねぇ……
Googleマップを見ていただけばおわかりでしょう。
山頂本堂はがっつり山の中です!
まぁね、山頂って書いてあるもんね。山ん中だねぇ……
ほぼ富山との県境です。
通常では考えにくいのですが、交通規制もありまして、山頂本堂の裏側?の山道をひたすら車で登って行きました。
臨時シャトルバスも出てたのでそれもあるのかな。
倶利伽羅本堂へ向かうまではほとんど行き交う車もなかったのに、本堂に近づくにつれものすごい車の数が停車してます!
それこそ山道のきわっきわに。
車が一台やっと通れるスペースしかないくらい。
どうしたものかと思いながらも後ろからも車が来るのでそのまま進み続けた結果第3駐車場にたどり着き、停めることができたのでラッキーでした。
どうやらCMも流れていたみたいで、刀剣女子だけでなく近隣の方もいっぱいきてたんですね。
まぁ自分もそのうちの1人ですが。
倶利伽羅不動寺についたのが14時半ごろだったのですが、入場券を求めに行くと
「中に入れるまで1時間ほどかかりますが大丈夫ですか?」
と言われました。
刀を展示している会場は入場制限を設けているみたいです。
まぁ人が入りすぎるとゆっくりじっくり見れないし、防犯上必要なことでしょうしね。
お寺を見るなり、先に体験イベントに行くなりしてれば1時間くらいあっという間でしょうと、そのまま入場。
入り口で「村正濃縮だし」と「大倶利伽羅ドリンク風調味料」の試飲会もありました。
出汁が美味しかった。
七味を入れるか胡椒を入れるかでまた味わいが変わるのが面白い。
入場整理券番号が1112番。
会場に入れるのはまだ800番台の人まで。
さて、体験イベントに行くかどうするかと思っていたらタイムリーにも15時から「見どころ学べる!特別講演」が始まるということなので、講演がある本堂の中へ。
すでに中はいっぱいの人。
本当にこんな山奥にどうしてこんなに人がいるんだというくらいの人出です。
入り口付近に座り、外から聞こえる入場番号を耳ダンボにしつつ、先生のお話を拝聴。
11月1日から5日までの5日間講演があるのですが、毎回内容が変わるみたいです。
自分が聞いた会は、それこそ刀について、刀匠や刀の構造から、こーいった日本刀の展示をするのがいかに大変かという話とか、倶利伽羅さんがすごい尽力してくれたとかいろんなお話が。
倶利伽羅の前にも各地で「目で見る刀の教科書展」をされているわけですが、やはり女性客が多いと。
そしたらやっぱりトイレは綺麗な方がいいと思うよ。
と倶利伽羅のご住職に言ったらしいんですが、そしたらなんと!ご住職トイレを新設してくれたんだそうです!
数日前に完成したばかりだそうです(笑)
実際後でお手洗いに行ったら、それはもうキレイでした。
そして長曾祢虎徹は元々は甲冑師であったとか、
かつては古い鉄と書いて「古鉄」だったんだとか。その後、えっとなんとかという故事にちなんで同じ読みの「虎徹」に変わったと。
時代により虎徹の「虎」の最後のハネのところをなみなみにしたのが「ハネ虎」で、あと略字?で書かれたものは「角虎」というらしい。
虎徹の銘がどんどん変わっていってるのは、虎徹が存命中の間にもめっちゃ偽物が出回ったからだとか。
あの新撰組の局長・近藤勇が持っていた刀は長曽祢虎徹というのは有名だけど、
同じくらい近藤勇が持っていた虎徹は偽物だという話も有名ですね。
この辺に関しては、そもそも虎徹が生きていたのが江戸初期なので、近藤勇とは200年近くあいてる。
本物の虎徹を持ってる人が手放すわけもないし、もし本物だったとしても、今の価値で言えば数千万円はする代物。
それをまぁちょっと言葉は悪いけど、下級武士、なんなら農民出身の近藤勇が買えるはずないだろう、というのが通説みたいですね。
まぁねぇ最もと言えば最もな説なんですけどね。
ただ!
あの新撰組の近藤勇が持っていたんだから、
幕末の動乱の京都でたくさんの志士と闘った、
あの近藤勇が持っていたんだから、
その刀はやっぱり長曽祢虎徹でいいじゃないか、
みたいな話もしてましたね。
ま、事実は置いといてその方が浪漫があるよねっていう。
たぶん偽物だろうけど、でも幕末を戦い抜いたわけだから刀としては相当なものだったんでしょう。
目で見る刀の教科書展には加州清光もあります。
加州清光といえばこれまた新撰組の沖田総司の愛刀として有名ですね!
加州清光は、加州とある通り、ここ加賀国で作られた刀なのです。
もちろんその辺のお話もしてくれたのですが、加州清光は沖田総司が使っていたということで知名度は抜群です。
ただ、刀としての価値は……まぁ低いです。
確かにね当時浪人だった沖田総司が手に入れられる刀だったということはべらぼうに高い刀ではないですよね。
しかし、切れ味はすごかったらしいです。
などという話をされてたんですが、ここは加賀国・金沢ですからね。
加州清光は刀としては価値がない、とだけ言って終わりにしたら石ころぶつけられるかもしれませんからね。
お寺だからすぐその辺に石ころありますしねぇ(笑)
で、全国から加州清光を集めてみたら、そこにはなんと、一見しただけでは加州清光とは思えないくらいすっばらしい刀があったそうです。
これは本当に清光か!?と思うくらいらしいです。
素人にはさっぱりですが。
で、先生いわく、
加州清光は、切れ味凄い。
ということは刀鍛冶としての技術は高かったということになる。
実は加州清光は、ものすごくお金がなかったそうです。
だからいい鉄を手に入れることができなかっただけなんだなと。
もしいい鉄を手に入れることができる環境で刀を打っていたら、それは素晴らしい名刀を生み出していたかもしれない刀匠だったんだろうな。
と思うよというお話をされてました。
どんなに技術があろうとそれを活かしきる素材がないと超一流にはいけないってことなんですかねぇ。
講演は15時から16時半までのおよそ90分。
そんなに長かったのかと思えないくらいお話が楽しかった。
しかし、講演を聴き終わってから順番を確認しに行ってもまだ1,000番台にも到達していなかった。
というわけで日本刀の体験イベントをのぞいてみると、まだ大丈夫とのことだったので体験コーナーへ!
ちなみに体験イベントは刀剣展の入場券と別に体験料が必要です。
1回1,000円で2分間じっくりと日本刀に触れることができます。
あ、2回目以降は1回500円だそうですよ。
1日に何度も回るツワモノが結構いるみたいです。
体験イベントで持つというかじっくり鑑賞できる刀剣は、
① 長曽祢虎徹の正真と偽物の二振り
② 古伯耆と和泉守兼定の二振り
③ 加州清光と千子村正の二振り
④ 山鳥毛写しの一振り
⑤ 二代兼定(之定)と同田貫正国の二振り
⑥ 備中青江の一振り
の6セットから1つを選びます。
なるほど、これは全種行きたくなる気持ちもわかります。
加州清光と村正の組み合わせも気になりますが、お刀初心者としては虎徹の本物と偽物見比べから行こうかな。
あとやっぱり、
「今宵の虎徹はよく切れる」
という名セリフがどうしても頭をよぎりますからね(笑)
あ、先生のお話にはもちろん妖刀村正のお話もありましたよ。
江戸時代には村正を持ってるだけで禁忌とされていたので、わざわざ「村正」の銘を消して違う銘を打っていたとか。
でも村正はやっぱり人気があったからそうまでしてでも持ちたかったとか、とか。
本物の長曽禰虎徹は数千万円はくだらないのですが、偽物はそれこそ数十万円で買えるくらいだそうです。
しろ〜とにはそんなに違うの!?って感じですが、見比べたらびっくりするくらい違いました。
あ、まず体験イベントの前に1回目の方は練習をします。
渡された靴カバーをつけ、マスクと手袋を装着したら準備完了。
左手に袱紗を持ち、右手でしっかり柄を持ち、ゆっくりと持ち上げ袱紗で刀身を支えます。
そして刀身をライトにかざしちょっと動かすと刃文が綺麗に見えます。
実際にはスタッフの方がつくので、ちゃんと案内してくれますが、一応ちゃんと練習します。
練習を終え、いざ体験イベントへ!
虎徹は代表的な作風として瓢箪刃とか数珠刃というのがあるらしいのですが、今回の体験イベントにある虎徹は数珠刃がとっても綺麗です。
刃文がそれこそ数珠のように綺麗な波波をうってるのです。
先生のお話にもありましたが、虎徹の側についてくれているスタッフさんがそれはもう懇切丁寧にお話ししてくれます。
わかりやすい。
「おぉ、これですね!ほんとだ波なみがすごく綺麗です!」
「そうでしょう〜、刃文が美しいんですよー。では刀身を返して反対側も見てみましょうか〜」
「はい。あ、こっちはなんか表より波が穏やかですね」
「そうなんですよ〜。両側で表情が違うんですよー、面白いでしょう〜。」
チーン
「では1分経ったので、次はこちらの偽物の方を見てみましょうか」
「はーい。あ!全然違う!波がない!」
「そうなんですよ〜比べてみると刃文が全然違いますよねー。」
「そしてなんか全体的に雑っていうか、水垢ついたみたいで汚い……」
「そうなんですよーやっぱり峰の部分の表面の滑らかさがまるで違うんですよ〜。」
「なるほどねー、ほほー」
チーン
「はーい、ではゆっくりと刀身を降ろしてくださーい。ありがとうございました〜」
「ありがとうございまーす。面白かったでーす。」
みたいな感じのやりとりがあったのですが、
すっげ面白かったです!
そしてここまであからさまに違うんかい!ってくらい本物と偽物は違いました。
まぁーただ両方置いてあるから違いがわかるんですけどねー。
偽物だけ単品で置かれてたらわからないだろうなぁ……
体験イベントを終え、外に出ると最終の入場受付になってました!
急いで列へ!
この時点で既に17時半とかだったんですけどね。
中に入ると、まず展示されている刀の説明があり横に刀が展示されているという形になっているのでとっても見やすいです。
これがこれでーほうほう、なるほど、という感じで確認しながら鑑賞できます。
ただ惜しむらくは閉門時間が迫っているのでそれほどゆっくりも見れない。
というかとっくに時間は過ぎているのだけど(笑)
会場は17時までなんだけど中に入れたのが17時半過ぎだったからねぇ。
展示もねかなり楽しかったんです。
ただ、先生の特別講演を聞き、体験イベントを終え、ようやく展示場にたどり着いた。
なんならお腹もだいぶ空いてきた。
ので頭が働かず……記憶がこんがらがっております。
気になる方はぜひ「目で見る刀の教科書展」へ行ってみてください。
倶利伽羅不動寺の展示は昨日の11月5日で終わってしまったのですが、またどこかで開催されるでしょう。
あ、あの某オークションサイトで出品され、そして刀剣女子が偽物と気づいて騒ぎになったかの「名物 乱藤四郎」の「偽物」も展示されてましたよ。
偽物をあえて展示することで本物を見分ける目を養ってほしいという思いも込められているそうです。
偽物を偽物と知っていて買うのはいいんです。
ただ、本物だと思って買ったものが偽物だとわかったら、そしてそのせいで日本刀を嫌いになってほしくないという思いがあるそうです。
本物だと思って大枚はたいて買ったものがニセモノだったらそれはショックが大きすぎるよねえ。
「名物 乱藤四郎」の本物と偽物が並んで展示されているので、確かに比べると全然違うんですけどね。
いやでも偽物だけポンて置かれてたらわからんわー。
そして見逃せない「重要美術品:名物 大倶利伽羅広光(伊達家伝来)」!
刀身に巻きついた龍が彫られていてめっちゃかっこいいです。
しかも刀身を両面から見れる展示になっているのです!
そして見つけましたよ〜二匹目の龍を。
刀身の中に長い金筋と目のような丸い輪が二つ並んで見えることから刀身の中にもう一匹の龍が現れたという風に言われてるみたいです。
刀身を手入れすることでやっぱりちょっとずつ削られていくんですよね。
その結果、龍のように見える模様が現れたみたいです。
だから作られた当初は誰も、もしかしたら作った本人もわからなかったんじゃないかな?みたいな。
この模様となってる部分もものすごくうすーい層なので、もし今後一度でも錆びたりしたら!
その錆びを落としたら一緒に龍も消えてしまうくらいのものらしいです。
もちろん管理には細心の注意を払われるけど、それでも100%はあり得ないので、二匹目の龍が見れるのは今のわずかな時間だけかもしれないんだそうです。
それもまたロマンですねぇ。
そうそう、くりからさんは開山1300年なんですね。
今回の「目で観る刀の教科書展」も開山1300年記念行事の1つなんですが、同時に秋のご開帳も開催中です。
二体の秘仏が特別公開されてるみたいですよ。
9月には鳳凰殿でライトアップとスカイランタンのイベントもありましたね。
この時も思ったんですが、とりあえず改めて、倶利伽羅不動寺に!行きたいと思いました(笑)
ただ結構な山の中だから時期を考えないとな。
奇跡の晴れ間で実現!開山1300年記念の倶利伽羅不動寺で石川県初のスカイランタンを見てきたよ!